「当たり前のことを当たり前に」<br />
職員にも注がれている、<br />
きらくえんの理念。

vol.2

「当たり前のことを当たり前に」
職員にも注がれている、
きらくえんの理念。

社会福祉法人きらくえん事務局 採用・教育担当

2012年4月入職

前田 詩織(マエダ シオリ)

大学 社会福祉学専攻 卒業

新卒採用に関する業務や新人研修に携わっています。

新卒採用に関する業務や新人研修に携わっています。

介護職員として、7年間現場に携わった後、採用・教育担当になりました。介護職員の頃から、リクルーターとして就職説明会や就活イベントに参加し、自分自身が抱えていた就職活動中の悩みや今いる現場のことなど、できるだけリアルな気持ちを語ってきました。話を聞いた人が実際にきらくえんに入職してくれるのが嬉しいですし、就職した新人職員の成長した姿を見ると、とてもやりがいを感じます。

最期の日まで、人とのつながりを感じられる場所。

私がきらくえんを知ったのは、大学の授業で、NHKのドキュメンタリー番組を見たのがきっかけです。『最期までの日々』というドキュメンタリーで、ご利用者同士のつながり、職員とご利用者、そのご家族との関係性、生活空間に至るまで、すべてに衝撃を受け、自然と涙が出ました。なぜなら、その映像の中には「暮らしそのもの」があったのです。あるお年寄りが亡くなる間際のシーンでは、部屋の近いご利用者が部屋を訪れて話しかけたり、ご家族が横でお話ししながら手をさすっていたりするのを見て、「人が亡くなることは悲しいことじゃないんだ」と、感じることができました。当時、実は既に、一般企業への内定が決まっていましたが、「ここの一員になりたい!」と思い、入職に至りました。

職員にとっても、また、戻りたくなる職場。

きらくえんは、新人もベテランも、職種・役職に関わらず、意見を言い合えるという文化が根付いています。介護職の離職率は、全国的に年間約20%と言われていますが、きらくえんは、出産・育児、ご家族の介護を経て復職される職員も珍しくありません。今も産休に入っている職員が複数います。残るスタッフも「いってらっしゃい」と送り出し、「おかえり!」と帰ってくるのを待っています。戻りやすい職場ですし、休暇後も戻りたくなる職場なんでしょうね。「当たり前のことを、当たり前に」というきらくえんの思いは、ご利用者だけでなく、職員にも注がれているのを感じますし、先輩たちが守ってきた風土を、私たちも後輩につなげていきたいです。

全く同じ介護はない。ベテランも新人も、みんな未経験の毎日。

家族としても経験した、最期までの日々。

認知症の祖母は、きらくえんに入居していました。一時入院しましたが、最期の5日間はきらくえんに戻ってきました。この5日間、普通の暮らしを取り戻せたことは、私たち家族にも、とても大きな出来事でした。祖母とはもう話をできる状態ではありませんでしたが、聞き覚えのある声やTVの音が聞こえる中にいられたことで、祖母本人も最期まで安心できただろうなと思います。

介護職は、舞台俳優に似ている。

先日、兄から言われたんです。「介護職って、舞台俳優に似てるな」って。「人生の最高の千秋楽を迎えてもらうために、日々技術を磨き続けてるんやろ、かっこいい仕事やな」と。現場に携わっていた時、ご利用者の最期に立ち会うことがありました。最初は、何もできない自分にショックを受けたこともありますが、入居されてから、その人を知り、その人らしい暮らしを続けてもらい、最期の日を迎えることは、決して悲しいことではないと感じるようになっていました。一人ひとりの人生最高の千秋楽のために技術を磨いている。その言葉を聞き、改めて、誇りを持ってできる仕事だと思っています。

「人生の完成期」を支えられることは、介護職の誇り。

きらくえんでは「人生の完成期」という言葉がよく使われます。100年近い人生を経験された方が、ここで過ごすのは短い期間かもしれませんが、その瞬間に私たちが立ち会えることは誇らしく、貴重なことだと思うのです。就職説明会などでも「未経験でも大丈夫ですか?」とよく聞かれますが、必要なケアは一人ひとり違います。認知症の場合も、症状やどのように暮らされてきたかによって、どんな声色で接したらいいかがみんな違う。だから、ベテランも新人も、みんなが未経験の毎日。その人を知ろうという気持ちがあれば、大丈夫です。