誰かの暮らしをよくするために。<br />
一人ではできないことも、<br />
みんなとなら、できる。<br />

vol.1

誰かの暮らしをよくするために。
一人ではできないことも、
みんなとなら、できる。

いくの喜楽苑 理学療法士

2015年4月入職

橋本 秀一(ハシモト シュウイチ)

大学 医療系専攻 卒業(前職:病院勤務)

病院勤務では見えなかった「その人の暮らしの支援」に共感しました。

デイサービスと特養ホームで違う、理学療法士の関わり方。

デイサービスのリハビリは、病気やケガで衰えた機能や力を取り戻すために行う病院のリハビリと違い、その方が最期まで自宅で暮らせるように、「介護予防」の観点から体の機能を長く保つための運動をお伝えします。また、体の機能が落ちてきた方には、手すりの確保や段差の解消など、住環境の改善を一緒に考えるのも私たちの仕事です。
一方、特養ホームでは、寝返りが打てなかったり、座っていることが難しかったりと、自分で動くのが困難で日常生活に支援が必要な方が多くいらっしゃいます。そこで、私たちはその方自身が持っている機能を最大限いかしながら、楽に寝る、座る、食事ができる方法を考えていきます。その際も、ご利用者と関わる介護職員や介護士などと一緒に、それぞれの専門分野の視点を持ち寄って、最善の方法を考えています。

介護職員をサポートするのも、理学療法士の大事な役目。

また、一緒に働く職員に向けて「持ち上げない介護」という研修会を開催しています。介護の現場では腰痛になる人が非常に多く、なかには職場を離れた後も日常生活に支障をきたすケースもあり大きな問題になっていました。今は、リフトなどの介護用具を積極的に活用していることもあり、体への負担の大きな作業が減り、職場でも少しずつ効果がでていると感じています。

いくの喜楽苑のwebサイトを見て、介護のイメージが変わった。

以前、勤務していた病院が介護付き有料老人ホームを新設するにあたって、立ち上げから関わる機会がありました。そこでは、リハビリはほとんどせず、ご利用者と一緒にお酒を買いに行ったり、カメラが趣味の方を景色のよい場所へお連れしたりと、「その人の暮らし方や生き方」にふれることができました。病院で仕事をしていると、退院後の患者さんがどうしているのかは知ることはできなかったので、「暮らしを支援する関わりもいいな」と、思うようになったのです。
結婚を機に自然豊かな場所で暮らしたいと思い、転職活動をしているときに見つけたのが、朝来(あさご)市の「いくの喜楽苑」です。「いくの喜楽苑」のwebサイトで、生野銀山の盆踊りを復活させたエピソードや施設の写真を見て、特養のイメージでガラッと変わりました。「暮らしを支援する」という考え方も前職の施設で感じたことに近く、非常に共感できたので迷わず応募しました。

素晴らしい仲間に巡り会えて、チームでとりくむ楽しさを感じています。

介護職員や言語聴覚士、ケアマネジャー。いろんな視点から学ぶことが多いです。

身内のことを言うのはアカンとは思うんですけど、きらくえんで働く方は、みんな本当に素敵。真面目で、熱意があって、一緒に仕事をしていてすごく楽しいですね。
ご利用者に、一人で食事ができない方がいらっしゃったときに、こんなエピソードがありました。私たち療法士は状態をみて、スプーンを持つのが難しそうだと現場に伝えました。しかし、日頃からケアする介護職員が「この人ならできるんじゃないか……」と考えたようで、「トライしてみたら、自分でスプーン持って食べられたんですよ!」と報告してくれたんです。いろんな視点を持つ人が集まっているから、一人ではできないことも、みんなとならできる。きらくえんに来て、チームの中で自分の専門性を活かすことや周りを巻き込む大切さが学べて、ちょっと視野が広がった気がします。

異業種を経験した人こそ、ぜひ介護の現場へ。

2020年秋から、きらくえんの理学療法士が3名に増えました。それまで理学療法士は私一人だったので、みんなで相談しながら、いくの喜楽苑の理学療法士としてなにができるのか、その可能性を探っていきたいと思っています。
介護業界一筋の方ももちろん尊敬していますが、私は介護以外の経験をされた方にも、ぜひ介護の現場に来ていただきたいと思っています。ご利用者はいろんな人生を歩んでおられます。そんなご利用者と毎日関わる職員もそれぞれに、さまざまな経験を持っていたほうが、寄り添える方向性もさらに広がり、より豊かになるんじゃないかなと思うんです。