愛着のあるご自宅で、<br />
1日でも長く暮らせるように。<br />
ヘルパーみんなで、お一人をサポート。<br />

vol.6

愛着のあるご自宅で、
1日でも長く暮らせるように。
ヘルパーみんなで、お一人をサポート。

喜楽苑 長洲ヘルパーステーション 訪問介護員

2008年4月入職

西尾 喜子(ニシオ ヨシコ)

大学 福祉系専攻 卒業(前職:金融業)

職場の先輩は人生の先輩。子育ての不安も、心強い言葉がうれしい。

お一人暮らしやご家族と同居されている、高齢者のご自宅を訪ねています。

長洲ヘルパーステーションでは、地域の約60件のお宅の見守りをしています。私は、朝8時半から1日約10件を訪問。1件あたりの滞在時間はまちまちで、服薬をお手伝いするだけの訪問もあれば、入浴支援の場合は1時間半くらいかけることもあります。訪問先も毎日変わりますし、ご利用者に応じて、買い物や調理、掃除や入浴のお手伝いなど支援の内容も変わるので、今日、自分がどこで何をしにいくのかをしっかり確認し、漏れのないように気をつけています。緊張感はありますが、自転車で移動するときに気持ちを切り替えて、楽しくお仕事しています。
独居の方は、その日に会うのが私だけかもしれません。だから、きちんとした身だしなみで、元気にハキハキと。できることを精一杯する、をモットーにしています。

できないことだけでなく、できそうなことにも目を向ける。

例えばこんなことがあったんです。その方は、入浴が困難になってきていました。施設に入居するか、デイサービスを利用したほうがいいかも、という話になったのですが、ご本人は、でもどうしても自宅のお風呂に入りたいとご希望でした。そこで、リハビリと並行して入浴介助を行うように支援内容を変更したら、再び家で入浴できるようになったのです。
また、入院先でターミナルケアを受けた方が、最期は自宅で過ごすことを望まれました。その際は、訪問看護やドクターと連携して、最期をご家族と看取ることができ、ご家族にも大変喜んでいただけました。わずか1カ月、数週間という場合もありますが、愛着のあるご自宅で過ごされるサポートができたときは、本当によかったなと思います。

幼稚園と小学生、二人の子どもの子育て中です。

子どもたちが夏休みの間利用する学童保育が、私の地域では朝8時半からしか開きません。ところが、私の始業時間も8時半から。上司に相談したところ、「フレックス制」を利用した9時半からの出勤を勧めてもらい、子どもと一緒に家を出られるようになりました。
きらくえんには、子育てを終わった先輩も多く、子育て中の私が仕事を続けられるよう、いつも気にかけてくれます。復帰直後は子どもの発熱で、お休みをいただくこともしばしば。不安や申し訳なさを感じていましたが、「大丈夫!そんなん今だけやで」と言ってもらえて、とても気持ちが楽になりました。
「子どもがごはんを食べないんです」とか「子どものけんかに、どこまで親が入っていいのか」とか、子育ての面でもいろいろ相談にのってもらいますが、本当は「大丈夫!」って言ってもらいたくて、相談している面もどこかにありますね。ヘルパーの中で、年齢的には私がいちばん下ですが、意見も聞いてもらえますし、掃除や料理のことも聞いたりできる。同じ肉じゃがでも、70代のヘルパーさんが作ったらすごく美味しいんですよ。

一人じゃない、みんながいる。だから大丈夫。

職員の心身の健康が第一。職員を守ってくれる職場です。

ご利用者の支援をしている職員が守られていないと、ご利用者を守ることもできないし、しっかりした介助ができないというのが、きらくえんの方針です。また、ひんぱんに面談も行われます。私が以前、特養やデイザービスで経験した中で、在宅の支援でも取り入れられそうなことを提案すると、「それとりいれてみようか!」とすぐ共有され、「うまいこといったよ!」と報告がかえってきました。そういう面でも、きらくえんでよかったなと思います。

自分だけで抱えなくていい。みんなで一人を支えている。

元々は「私がこの時間に絶対これはしなくてはいけない」と思うタイプで、若い頃は苦しく感じるときもありました。しかし、ヘルパーの仕事や子育てを経験するうちに、「安心して任せられる人がすぐにそばにいる」と思えるようになり、いい意味でそんな完璧主義がなくなりました。訪問後に気になることがあっても、「あれやっといたで!」「私、やっときました!」と、他のヘルパーがカバーしてくれていて、一人の生活をみんなで支えているんだなって実感しています。「失敗してはいけない」と思っている人も、なにかあれば、私たちがしっかりフォローするので大丈夫。「やってみたい!」という気持ちがあればいいと思います。
体が元気なうちは、毎日いろんなお家を訪ねたいですね。いろんな方とも会えますし、ご家族からもいろんな言葉もいただけるので。これから先も、自分の生活に変化があると思いますが、どの方向を選んでも今の経験は必ず生かせると思っています。